「大地」のその後を考えてみた
2010年9月15日 読書 「大地」三部作に更なる続編があったとしたら、どうなるだろう。第3部「分裂した家」結末頃の(物語上の)年が、刊行された1935年頃だとする。
パール・バック「大地」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%9C%B0_(%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BBS%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF)
王三(王虎)系の人々
王元と美齢
王元が南京で農学か何かの教授をやって、奥さんの美齢が医者になったとすると、中華民国国民党政府に属していることになる。その後、まず大きな事件となると日中戦争がある。当然日本軍が南京にも侵攻して占領する。王元あたりは知識人階級になるから、留まるよりはお上に従って重慶方面に逃げるような気がする。
その後、日中戦争が終わる間もなく国共内戦が勃発する。この時に国民党にくっついて台湾に逃れるか、そのまま南京に留まるかで大きな分かれ道になりそうだ。
王孟がもし共産党軍で頭角を現わすようなことになれば、人民共和国の方でそれなりのポストにつくかもしれない。しかし、そのあとの大躍進政策での無茶な農業改革には、農学の立場から反対するだろうから、その時点で命がやばい。どちらにしても、その後飢饉は来るし、文化大革命で知識人とかは三角帽子をかぶらされてリンチされるだろうから、結末は悲惨のような気がする。
愛藍
元の妹、愛藍は小説家の伍と結婚して、上海の租界あたりに住んでいるだろうから、王元よりは安全そうだ。戦後、王盛のつてでアメリカ方面に渡るか、それか台湾、香港あたりに移るかしそうな気がする。
王二系の人々
王二の長男(あばた)
王二系とはいっても、あばたは王虎の副官として、とある県を支配しているから、王虎亡き後も小規模な軍閥として残るかもしれない。ただ、軍事的才能がないので、日中戦争あたりでは他の国民党軍などに混じって退却するような気がする。問題は国共内戦後だが、王二系の人々は王虎が死ぬ直前の暴動で財産・土地を失っているので、あまり土地に未練はなく、国民党軍と共に台湾方面に移りそうだ。
あばた以外の兄弟
上に同じ。あばたを除くと父親を小粒にしたようなタイプなので、暴動で亡くした財産を取り戻すことは難しそうだ。
王一系の人々
王一の長男
王一と同じで、金持ちなだけの凡庸な人物だが、上海租界で銀行の副頭取になっているので、王二系の兄弟が結果的に没落している中にあって、富を保ったといえると思う。国共内戦後は、いずれにしても国外に移りそうだ。ただ、弟の盛のように語学ができるわけではないので、台湾か香港あたりだろう。
王一の三男(せむし)
第3部の最後の方で、これまで心の支えとなっていた梨華が亡くなった後、破戒僧となり暴動を扇動し、王二一族の財産を奪い、王虎を拷問にかけるなど暴れまくった。覇気があるので匪賊の親玉あたりになっていそうだが、国民党軍や日本軍あたりが戦争している状況を生き延びるのは難しいかもしれない。
王盛
詩人として活動。元と同じくアメリカ留学しているので、アメリカにつてが多いと思われる。そのため、日中戦争勃発くらいでアメリカ方面に移住してしまうかもしれない。
王孟
第3部終わり近くで、国民党政府に不満を持ち、新たに革命を起こそうとしているから、中国共産党あたりに加わって、長征などにも参加するか?運よく生き残った場合は、幹部クラスになるかもしれない。ただ、短気で融通が効かないので、様々な闘争の中で粛清の憂き目に遇う可能性も高い。
上のようにシミュレーションしてみると、王一族は全体として中国本土から出ていく人々が多くなりそうだ。王一の長男、王二の長男らのように台湾あたりに移る人々が多いかもしれない。
台湾では、国民党と一緒にやってきた人々は外省人と呼ばれ、王のように多い苗字の人は、「安徽の王」のように、出身地名も添えて名乗るようだ。
パール・バック「大地」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%9C%B0_(%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BBS%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF)
王三(王虎)系の人々
王元と美齢
王元が南京で農学か何かの教授をやって、奥さんの美齢が医者になったとすると、中華民国国民党政府に属していることになる。その後、まず大きな事件となると日中戦争がある。当然日本軍が南京にも侵攻して占領する。王元あたりは知識人階級になるから、留まるよりはお上に従って重慶方面に逃げるような気がする。
その後、日中戦争が終わる間もなく国共内戦が勃発する。この時に国民党にくっついて台湾に逃れるか、そのまま南京に留まるかで大きな分かれ道になりそうだ。
王孟がもし共産党軍で頭角を現わすようなことになれば、人民共和国の方でそれなりのポストにつくかもしれない。しかし、そのあとの大躍進政策での無茶な農業改革には、農学の立場から反対するだろうから、その時点で命がやばい。どちらにしても、その後飢饉は来るし、文化大革命で知識人とかは三角帽子をかぶらされてリンチされるだろうから、結末は悲惨のような気がする。
愛藍
元の妹、愛藍は小説家の伍と結婚して、上海の租界あたりに住んでいるだろうから、王元よりは安全そうだ。戦後、王盛のつてでアメリカ方面に渡るか、それか台湾、香港あたりに移るかしそうな気がする。
王二系の人々
王二の長男(あばた)
王二系とはいっても、あばたは王虎の副官として、とある県を支配しているから、王虎亡き後も小規模な軍閥として残るかもしれない。ただ、軍事的才能がないので、日中戦争あたりでは他の国民党軍などに混じって退却するような気がする。問題は国共内戦後だが、王二系の人々は王虎が死ぬ直前の暴動で財産・土地を失っているので、あまり土地に未練はなく、国民党軍と共に台湾方面に移りそうだ。
あばた以外の兄弟
上に同じ。あばたを除くと父親を小粒にしたようなタイプなので、暴動で亡くした財産を取り戻すことは難しそうだ。
王一系の人々
王一の長男
王一と同じで、金持ちなだけの凡庸な人物だが、上海租界で銀行の副頭取になっているので、王二系の兄弟が結果的に没落している中にあって、富を保ったといえると思う。国共内戦後は、いずれにしても国外に移りそうだ。ただ、弟の盛のように語学ができるわけではないので、台湾か香港あたりだろう。
王一の三男(せむし)
第3部の最後の方で、これまで心の支えとなっていた梨華が亡くなった後、破戒僧となり暴動を扇動し、王二一族の財産を奪い、王虎を拷問にかけるなど暴れまくった。覇気があるので匪賊の親玉あたりになっていそうだが、国民党軍や日本軍あたりが戦争している状況を生き延びるのは難しいかもしれない。
王盛
詩人として活動。元と同じくアメリカ留学しているので、アメリカにつてが多いと思われる。そのため、日中戦争勃発くらいでアメリカ方面に移住してしまうかもしれない。
王孟
第3部終わり近くで、国民党政府に不満を持ち、新たに革命を起こそうとしているから、中国共産党あたりに加わって、長征などにも参加するか?運よく生き残った場合は、幹部クラスになるかもしれない。ただ、短気で融通が効かないので、様々な闘争の中で粛清の憂き目に遇う可能性も高い。
上のようにシミュレーションしてみると、王一族は全体として中国本土から出ていく人々が多くなりそうだ。王一の長男、王二の長男らのように台湾あたりに移る人々が多いかもしれない。
台湾では、国民党と一緒にやってきた人々は外省人と呼ばれ、王のように多い苗字の人は、「安徽の王」のように、出身地名も添えて名乗るようだ。
コメント