20211221

2021年12月21日
 晴。3℃~15℃。


 『蘇える変態』読了。後半は一転して、くも膜下出血の壮絶な闘病記。

 体が生きようとしている。前からそうじゃないかとは思っていたが、やっぱり当たっていた。死ぬことよりも、生きようとすることの方が圧倒的に苦しいんだ。生きるということ自体が、苦痛と苦悩にまみれたけもの道を、強制的に歩く行為なのだ。(「生きる2」 134p)

 『悪魔の詩 下』231p。Ⅶ 天使 アズラーイール。ジブリ―ルとアリー・コーンとサラディン、3人の珍道中。以前読んだピンチョンの「ヴァインランド」にも通じる雰囲気。

 今世紀には、旧来風の心理的方向づけを真実に対して施す傾向を歴史が見放したのよ。つまりこの頃では、性格はもはや運命的なものではなくなったのよ。経済は運命よ。イデオロギーも運命よ。爆弾も運命よ。飢餓とかガス室とか考えてごらん。手榴弾の手当てとか、人々の人生はどうだった?危機がやってきて、死もやってくる。けれども人間の情動的な個性なるものは、それに対してどうすることもできないで、ただその結果を甘んじて受け入れるだけ。(216p)


 

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