20220108

2022年1月8日
 晴時々曇。2℃~10℃。


 『ユリシーズ Ⅱ』読了。13 ナウシカア。ブルームの回想と妄想。男に都合のいい展開。解説 永川玲二「ダブリン気質」。エッセイ 三浦雅士「ジェイムズ・ジョイスとタロットカード」。

 その結果、古代末期のアイルランドとヨーロッパ大陸との出会いという画期的な歴史劇は、軍隊ではなく宣教師の渡来とともに幕をひらく。これはやがてユーラシアの東の果ての日本へと古代中国やヨーロッパの宗教文化がつたわる過程にそっくりだが、世界史のなかではどちらもごく例外的なケースである。離れ小島ならではの大きな幸運というべきか。(「ダブリン気質」 682p)

 たとえばタロットカードの人気が一貫して衰えないのは、そこに叙事詩の秘密が隠されているからだ。シェーネはそう言っているのだ。占い師は一連の寓意画から人生の物語を生み出す。カードすなわち絵を読むことで、人間の運命すなわち文学を語る。エリオット風に言えばこれこそ古典主義的なのです。奇妙奇天烈と思われるかもしれないけれど、これは漫画やアニメの手法に近似している。(「ジェイムズ・ジョイスとタロットカード」 719p)

 たとえば中国の歴史は反復以外の何ものでもない。というより、正統な歴史というものは前代を反復するものだという牢固たる観念が中国にはあって、範例に沿って歴史を書いていたのである。事件だって、そういうふうに配列していたのだ。(中略) 歴史は直線的なんていう観念は、それこそ近代もここ数百年の話にすぎないのである。(同上 723p)

 『日本の歴史 第5巻 新視点中世史 躍動する中世』258p。第五章 列島を翔る人々。町と祭り。京の有徳人と祇園祭。博多の町と祇園山笠。諸国に生まれる府中。列島の身体。蒙古の襲来。一体化する日本の国土観。行基図。アイヌの人々の動き。琉球に誕生した王権。モノとヒトの交流。大陸から流入したもの。大量の銭の流通。大陸伝来の技術。



 

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

この日記について

日記内を検索