20211203

2021年12月3日
 晴。6℃~16℃。


 『悪魔の詩 下』189p。Ⅴ 視れども見えない都市 Ⅵ ジャーヒリーヤへの帰還 Ⅶ 天使アズラーイール。ウェルベックの「服従」はこの作品の影響を当然受けているだろうと思った。

 「マハウンド、あんたは娼婦も作家も同じなんだ。どちらも許せない存在なんだ。」
 マハウンドは答えた。
 「作家と娼婦と、どこが違うというのかね。」(171p)



 

20211202

2021年12月2日
 曇時々晴。冷え込みそれほどでもない。8℃~14℃。


 『悪魔の詩 下』121p。Ⅴ 視れども見えない都市。レハーの霊を撃破。アリーのところに戻る。映画プロデューサーのシソディア。

 「ロンドンでの晩餐会のヒ、ヒ、秘密の数は、英国人の数をコ、コ、超えています。もしも彼らの数がより少ないとしたら、彼らはソ、ソウ振る舞うでしょう。」(118p)

 『新ハムレット』読了。「新ハムレット」。「待つ」

 「世の中の人というものは、お互い、こわばった挨拶をして、用心して、そうしてお互い疲れて、一生を送るものなのでしょうか。」(「待つ」353p)




20211201

2021年12月1日
 雨後晴。朝方猛烈な雷雨。雨は朝のうちに上がる。昼間暖かいが夕方以降急激に気温下がる。11℃~21℃。


 『新ハムレット』276p。「新ハムレット」。わかりやすいといえばわかりやすい。

 王妃。「人間というものは、みじめな、可哀そうなものですね。成功したの失敗したの、利巧だの、馬鹿だの、勝ったの負けたのと眼の色を変えて力んで、朝から晩まで汗水流して走り廻って、そうしてだんだんとしをとる。それだけの事をする為に私たちは此の世の中に生れて来たのかしら。虫と同じ事ですね。」(272p)

 

20211130

2021年11月30日
 晴後雨。夕方空気がぬるくなる。5℃~18℃。


 『悪魔の詩 下』105p。Ⅴ 視れども見えない都市。アリーとジブリ―ルの爛れた同棲。怒るウーパルヴァラ。アリーの家を出る。レハー・マーチャントに取りつかれる。

 「ヒマラヤ山脈は、」「物理的な頂点であると同時に情緒的な頂点でもある。それはいわばオペラのようなもの。だからそれは人々に畏怖の念を起こさせる。他でもない目まいのするような高峰が。けれども抜き去り難いしかけなのよ。」(73p)

20211129

2021年11月29日
 晴。寒々と。5℃~14℃。


 『悪魔の詩 下』72p。アリー・コーンとジブリ―ルのヒマラヤでの再会。

20211127・1128

2021年11月28日
1127 晴。8℃~15℃。
1128 晴。5℃~15℃。


 『新ハムレット』230p。「新ハムレット」。漫画的。


20211126

2021年11月26日
 晴。9℃~17℃。


 『悪魔の詩 下』60p。Ⅴ 視れども見えない都市。

 生き続けるものは自分自身に対していくらでも異なることが可能で、まるで他者のように、断絶して、歴史から切り離された存在に変化できるのである。(55p)

 『新ハムレット』171p。「貧乏学生」。二人は熊本君に会いに行く。渋谷で飲み会。

 「青春は空に過ぎず、しかして弱冠は、無知に過ぎず。」(フランソワ・ヴィヨン)(159p)


20211125

2021年11月25日
 晴。7℃~19℃。


 『悪魔の詩 下』42p。Ⅴ 視れども見えない都市。仕事がみつからない。ジブリ―ルの生存情報。

 「私はルクレティウスの説を受け入れて、自分の最も奥深い所で何かしら悪魔的でとり戻すことができない変化が生じつつあると結論したらよろしいのか、それともオウィディウスとともに、現在生じつつあることはすべて、昔から存在していたものがたんに現れているだけと認めたらよろしいのか。」(42p)

 『新ハムレット』136p。「貧乏学生」。作家の「私」は玉川上水を裸で泳ぐ若者をみかけ、行動を共にする。

 万助橋を過ぎ、もう、ここは井の頭公園の裏である。私はなおも流れに沿うて、一心不乱に歩きつづける。この辺で、むかし松本訓導という優しい先生が、教え子を救おうとして、かえって自分が溺死なされた。川幅は、こんなに狭いが、ひどく深く、流れの力も強いという話である。(108p)。




20211124

2021年11月24日
 晴。8℃~17℃。


 『悪魔の詩 下』27p。Ⅴ 視れども見えない都市。半分ヤギ化したチャムチャはシャンダール・カフェのスフヤーン一家に匿われる。

 過去を失う時人間は、あの死の天使、アズラーイールの前に裸で立っている。(23p)

 太宰治『新ハムレット』101p。「古典風」。伯爵の息子、美濃十郎と下婢のてる。アグリパイナとネロ。「女の決闘」。森鴎外全集。ドイツの小説の翻訳。詐欺師にだまされたような読み心地。

 芸術家は、やっぱり人ではありません。その胸に、奇妙な、臭い一匹の虫がいます。その虫を、サタン、と人は呼んでいます。(71p)



20211123

2021年11月23日
 晴。11℃~17℃。


 『悪魔の詩 上』読了。Ⅳ アーイーシャ。解説。アリー・コーンが話したヒマラヤでの出来事。ロンドンの街を移動するジブリ―ルにつきまとうレハー。イマーム。アッラート女神との闘い。孤児アーイーシャ。蝶を喰らう。メッカに行く預言。

 彼はその前の晩、ニーチェを読んでいた。―「あの卑小で、背伸びし過ぎた人類という名の種族の無慈悲な終焉」(234p)


20211122

2021年11月22日
 曇後雨。13℃~18℃。


 『悪魔の詩 上』211p。Ⅲ エルオウエン・ディーオウエン。チャムチャは病院へ。様々な動物になりかけた人々が入院している。集団脱走。チャムチャの妻パミラと友人のジャムピーの密通。ジブリ―ルはロンドン行き列車に乗る。狂人マスラマ。

 「この文明。ことはその中で終わりつつある。それはなかなか文化的で輝いていたが、同時にいかがわしく、食人種的でまた紳士的かつ世界の栄光でもあった。できる間にそれを讃えるべきだ。」(200p)

 『東国から読み解く古墳時代』読了。古墳時代首長の資質-エピローグ。ビジュアルにこだわった前方後円墳。人物埴輪は語る。古墳の形にみる階層秩序。

 古墳時代の社会にとって、古墳とはまさに「記念物」であった。ゆえに、その築造地や外観も政治的意味をもって企画されたのである。(204p)



20211121

2021年11月21日
 曇後雨。11℃~16℃。


 『悪魔の詩 上』177p。Ⅲ エルオウエン・ディーオウエン。ローザ・ダイヤモンド。飛行機からイギリスに降り立ったチャムチャとジブリ―ルは匿われる。警察。チャムチャを捕えるが、ジブリ―ルは難を逃れる。ローザの過去にまつわる幻覚の世界。チャムチャの変身。

 「群集を見張れ、試合ならぬ、『永遠の警戒は自由の代価なり』」。(177p)

 『東国から読み解く古墳時代』165p。モニュメントとしての前方後円墳。

 古墳時代は、さまざまな手工業が勃興した時代であり、伝統の弥生系の技とともに、渡来系技術の導入がそれをいっそう増進させた。(145p)

 柳美里『JR上野駅公園口』読了。衝動読み。読んでおくべきだった本。作者についていろいろ思うところはあるが、傑作だと思った。悲劇の上にこれ以上ない悲劇がのしかかった。上野のホームレス一代記だけで終わらない。平成時代を代表する小説になっていくのではないか。本読んで生き長らえてスノビズム。

 擦れ違う時は誰もが目を背けるが、大勢の人間に見張られているのが、ホームレスなのだ。(146p)。

 


20211120

2021年11月20日
 曇時々晴。9℃~19℃。


 『悪魔の詩 上』148p。Ⅱ マハウンド Ⅲ エルオウエン・ディーオウエン。マハウンドと弟子。アブー・シンベルの妻ハインドとその一味の企み。ⅡとⅠ・Ⅲのジブリ―ルの違い。

 アッラーの神と三女神の間には和解などあり得ないわ。(136p)

 『東国から読み解く古墳時代』144p。地域開発と渡来人 首長による地域経営と農業政策 日本のポンペイから得られた途方もない情報量から何を拾っていくか。

 このように、馬の利用は権威表象・軍事・農耕・荷役・情報伝達と、今日の自動車に匹敵するものであった。牧はさしずめ車両生産工場といった存在であったろう。(87p)


20211119

2021年11月19日
 晴。9℃~18℃。


 『悪魔の詩 上』113p。Ⅱ マハウンド。ジャーヒリーヤの街。イブラーヒームとハガルの子イスマーイール。アブー・シンベル。

 質問・不信心の反対は何? 疑いの心。(103p)

 若狭徹『東国から読み解く古墳時代』46p。古墳から古墳時代社会へ―プロローグ。古墳時代のムラをあるく。

 三世紀中頃から七世紀初めまでのおよそ三五〇年間は、列島中が巨大墳墓づくりに熱中した大土木工事の時代だった。(2p)



20211118

2021年11月18日
 曇後晴。11℃~17℃。


 『日本の歴史 第1巻 列島創世記』読了。第六章 石と土の造形 古墳時代 おわりに。

 日本列島の古墳の衰退をもっと広い視点からとらえると、前文字社会から文字社会への転換に伴って、倭王や地方の王たちの威信の由来や支配の論理が、美的モニュメントによってではなく、文字を用いた神話や制度や法典によって、社会組織の中に埋め込まれるようになったからだと説明できる。(342p~343p)

 『悪魔の詩 上』99p。Ⅰ 天使ジブリ―ル。3・4。父チャンガスとの対峙。ズィーニーとの別れ。420便。チャムチャとジブリールとの出会い。飛行機のハイジャック。百十一日閉じ込められる。ハイジャック犯は3人の男と1人の女。女優タヴリーン。

 「いいかね。これが中身なのだ。」「英国風の容れ物に移し替えられたインド人さ。最近になってヒンズー風を気どってみたら、人々が優しく見えるという次第。これが私なのさ。」(67p)。






20211117

2021年11月17日
 晴時々曇。11℃~18℃。


 『日本の歴史 第1巻 列島創世記』302p。第五章 海を越えた交流。

 近畿が経済や社会の中核になった三世紀は、その後の千数百年間にわたる日本列島社会の空間構造が定まったという点で、列島史上の大きな画期といってもよい。(297p)

 『悪魔の詩 上』62p。Ⅰ 天使ジブリ―ル。3。サラディン・チャムチャの生い立ち。厳しい父親。5年に及ぶイギリス留学。母の死。恋愛。パミラ。ズィーニー。

 「貴女はご存じ?」彼は彼女に尋ねた。「菜食主義と人を食べたいとの衝動の間に、すでに十分に認められた関連が存在することを?」(61p)




20211116

2021年11月16日
 晴後曇。13℃~19℃。


 『日本の歴史 第1巻 列島創世記』281p。第五章 海を越えた交流 弥生時代後半。

 私たちホモ・サピエンスの身体が、何百万年間も地球上で進化してきたことによって身につけた「上・下」「前・後」「内・外」などの物理的関係の体感は、脳に深く刻まれ、先に述べたような、知識や概念が連鎖して思考や行動の枠組みをつくるときの、もっとも基本的な筋道になる。(250p)

 サルマン・ラシュディ 五十嵐一訳『悪魔の詩 上』39p。Ⅰ 天使ジブリ―ル。1・2。飛行機から落ちる二人の男。ジブリ―ルとサラディン・チャムチャ。映画スター、ジブリ―ルの生い立ち。弁当配達人の子。富豪の養子。ボリウッド。失踪。

 ダニエル・デフォウ「悪魔の歴史」。


20211115

2021年11月15日
 晴。11℃~20℃。

 
 『黒檀 世界文学全集Ⅲ-02』読了。塩と金。見よ、主は速い雲を駈って。オニチャの大穴。エリトリアの風景。木蔭にてアフリカを顧みる。バマコ。サントル・ダキエユ。トゥアレグ。モブティからトンブクトゥ。ポート・ハーコート。キリスト教セクト。オニチャの青空市場。オニチャ市場文学。アスマラ。ティラ・アヴォロ。

 全体主義は、二十世紀にヨーロッパに登場する百年も前に、アフリカで考案・実行されていた。ヨーロッパはその経験を移植されたにすぎない(377p)。

 ヨーロッパの言語はどれも豊かである。だが、それは己の文化を描写するのに、己が世界を叙述するのに豊かであるにすぎない。ひとたび他文化の領域に踏み込んで、それを描写しようとすると、言語の限界、未熟さ、語義の無力さを知ることとなる(378p)。

 『日本の歴史 第1巻 列島創世記』244p。第四章 崇める人、戦う人。「文明」型文化。


 

20211114

2021年11月14日
 晴。10℃~20℃。


 『黒檀 世界文学全集Ⅲ-02』327p。物憂い川。マダム・デュフ、バマコに帰る。カメルーン。首都ヤウンデ。ポーランド人宣教師スタニスワフ・グルグル。ベルトゥア。ダカールからバマコまでの汽車。

 『日本の歴史 第1巻 列島創世記』233p。第四章 崇める人、戦う人 弥生時代前半。ヒエラルキーとヘテラルキー。

 『チェルノブイリの祈り』読了。第三章 悲しみをのりこえて 子どもたちの合唱 孤独な人間の声。

 

20211113

2021年11月13日
 晴。10℃~19℃。


 『黒檀 世界文学全集Ⅲ-02』305p。冷たき地獄。リベリア。首都モンロビア。その歴史。タプマンの独裁。トルバート時代。ドウによる暗殺。ドウの暴政。内戦。「北斗の拳」の世界。ウォーロード。

 『日本の歴史 第1巻 列島創世記』188p。第三章 西へ東へ 縄文時代後半。弥生化。

 『チェルノブイリの祈り』257p。第三章 悲しみをのりこえて。情報の風化の怖さ。また繰り返すことだろう。


   

 

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