曇。20℃～28℃。


　『樋口一葉小説集』244p。「たけくらべ」。中学以来の再読。美登利と信如の接点が思った以上にない。ウエストサイドストーリー的なもの。正太が「サルまん」で言うところのメガネ君っぽい。

　『詩集 石　エッセイ 対話者について』「石」60p。15～36。日本人が人間の屑どもに入っている。

　曇時々晴。20℃～28℃。


　『樋口一葉小説集』172p。「十三夜」。お関は嫁ぎ先でいびられ、実家に泣く泣く帰るが父親に諭され、嫁ぎ先に戻る。戻ろうとした時に乗った車の車夫が昔の想い人縁之助だった。「わかれ道」。仕事屋のお京と傘屋の吉。

　『クズより怖いものはない』読了。

　オシップ・エミリエヴィチ・マンデリシュターム　早川眞里訳『詩集 石　エッセイ 対話者について』26p。「石」1～14。豊かなイメージ。タゴールの詩のような達観。ヴォルコフの「ショスタコーヴィチとスターリン」で取り上げられていて気になっていた詩人。

　曇。20℃～28℃。


　『樋口一葉小説集』126p。「にごりえ」。丸山福山町の銘酒屋の遊女お力と馴染みの源七。上客の結城朝之助。源七には女房子供がいる。一種のストーカー殺人事件。

　カレー沢薫『クズより怖いものはない』100p。衝動読み。いろいろなクズ。自分は幾つ当てはまるだろう。二行に1つ、密度の濃いところでは一行に1つネタを盛り込んでいてすごいと思う。

　雨時々曇。20℃～24℃。


　『樋口一葉小説集』76p。「うつせみ」。幸子、正雄、植村。番町の旦那様。

　晴後曇。19℃～27℃。


　『認知の母にキッスされ』読了。「母の家」「踏切り」「貼り紙」「友のどら焼き」「母の歳時記」「母の死」。踏切りで車椅子は怖い。同級生沢村の話は身につまされるものがある。A駅でお札を投げる人。三宅さんの脱走。

　樋口一葉『樋口一葉 小説集』55p。「大つごもり」「ゆく雲」。文語体が苦手でずっと敬遠してきた。語りのリズム。

　雨後晴。時々スコールのような雨。20℃～27℃。


　『キム』読了。第十三章　ヒマラヤ山麓。ダルナートとバドリナート。異国人。怒り。第十四章　シャムレーの姫。デング熱。第十五章　老婦人の助け。ハリーに渡る。マーブブも来る。涅槃。解説。キプリングの再評価。老僧のキャラから「プルーン・バガートの奇跡」を思い出す。学研世界名作シリーズ。

　『認知の母にキッスされ』202p。「ハクビシン」「完食」「もしもし」「初孫」。認知症が次第に悪化。言ってることが無茶苦茶。この母親は認知症になる前から息子にひどいことを言い過ぎだと思う。　

　

　雨後曇。朝激しい雨。昼頃から曇。時折雨。21℃～25℃。

　
　『オペラ・ノート』読了。「フィガロの結婚」。「トリスタンとイゾルテ」。「こうもり」。コルンゴルト「死の都」。ヴェルディ「シチリア島の夕べの祈り」。「後宮からの誘拐」。「コジ・ファン・トゥッテ」(ヤーコブス盤)。オペラへの僅かなアプローチ。

　『キム』455p。第九章　聖ザビエル校に3年在籍。第十章　マーブブとの旅。任務。ハリー・チャンダー・ムーケルジー。野菜カレー。第十一章　ベナレス。老僧。農夫の子の熱を治す。ジャイナ教。列車。傷ついたマラータ人の男。符牒。変装。第十二章　男はE23。警察側の味方ストリックランド。クルの奥方(老婦人)のところへ。老僧がキムの学費を払えた理由。医者。ハリー。五国の王。二人の異国人。話が大掛かりになってくる。

　ねじめ正一『認知の母にキッスされ』119p。「ケロリン」「大マザコン」「パソコン電車」「セシマショーゾー」「おしっこの音」「ナックルな夜」。ねじめ正一の詩の独特のくどい感じは遺伝だということがわかった。ナックルボールを投げる絵本作家Pさん。子供の時に、弟とひたすらキャッチボールをしていてそれだけで楽しかったことを思い出す。

　曇。遠雷。20℃～29℃。


　『オペラ・ノート』183p。カルメン。「コジ・ファン・トゥッテ」。「建―TAKERU」。ヴェルディ。演出。バイロイトの今。「コジ・ファン・トゥッテ」(ベーム盤)。

　『キム』329p。第五章　マヴェリック連隊。赤い雄牛。ベネット牧師とヴィクター神父。キンブル・オハラの息子。第六章　アンバラ。代書人。マーブブに手紙。クレイトン大佐。諜報活動を仕切る。第七章　ラクナウの聖ザビエル校へ。老僧と再会。学校で英語を学ぶ。休暇。第八章　マーブブと再会。マーブブを狙う男たちをみつける。第九章　シムラの街。ラーガン。宝石を扱う一方、諜報活動をしている。スパイ技術訓練。

　曇時々雨。午後はほぼ曇。21℃～24℃。


　『オペラ・ノート』137p。ロイヤル・オペラの底力。「カルメン」「トゥランドット」「コジ・ファン・トゥッテ」。オペラ「金閣寺」。ドイツ語。オペラ演出家・浅利慶太。「蝶々夫人」「エレクトラ」。

　ラドヤード・キプリング　木村政則訳『キム』167p。第一章　ラホール。アイルランド人の孤児キム。博物館。チベットの老僧。ベナレスへ行く。隊商頭のマーブブから手紙を託される。イギリスのスパイ。第二章　老僧とキムは汽車に乗る。途中で降ろされそうになるが娼婦に救われる。アンバラ。徒歩。手紙を渡す。クレイトン。聖なる川。赤い雄牛。第三章　祭司。老兵。三人の息子は皆将校。戦。第四章　父子の再会。婚礼の行列。牛舎。老婦人に取り入る。冒頭に引用される詩の中に自作詩「鎌倉の大仏」からのものがある。子どもの時に読んだキプリングの「ジャングルブック」「続ジャングルブック」はとても面白かった。しかし、その一方で、無知蒙昧なインド人を導くのは我がイギリス人だという思想が読めば読むほど鼻についてきて、嫌な気持ちにもなった。







　

　曇一時雨。午後一時雨。22℃～28℃。


　「ある革命家の思い出」『世界教養全集26』読了。スパイの実態。様々な些細な行動でわかってしまう。釈放。ロンドン。兄の死。日露戦争のロシア側司令官のアレクセイ・クロパトキンと血縁関係があるのかと以前は思っていたが、そもそも綴りが違う。ピョートル→Кропоткин。アレクセイ→Куропаткин。

　『オペラ・ノート』109p。ヴァーグナー「ニーベルングの指輪」。ヴァーグナーの芸術ーバイロイトで。映画「ドン・ジョヴァンニ」と「ばらの騎士」。映像オペラ「フィガロの結婚」。オペレッター「この男たちの幻想」。



　

　曇時々晴。20℃～27℃。.


　「ある革命家の思い出」『世界教養全集26』368p。アレクサンドル二世の暗殺。影響がスイスのクロポトキンのもとにも及ぶ。スイス追放。ジュネーブ湖ほとりのフランス側にあるトノンへ。ロシアのスパイ。1881・1882年フランスのアナーキスト運動。逮捕。リヨンの監獄。

　吉田秀和『オペラ・ノート』63p。ヤナーチェク「利口な女狐の物語」、リヒャルト・ストラウス「ばらの騎士」、ヴァーグナー「ジークフリート牧歌」。以前読んだ「私の好きな曲」に皆載っていた。再読。


　

　晴時々曇。21℃～29℃。


　「ある革命家の思い出」『世界教養全集26』336p。ジュラ連合の面々。ツルゲーネフとの出会い。ジュラ印刷所。妻の健康。

　『ソングライン』読了。ノートから。ドンキー・ドンクの狩り。ノートから。「肉食動物は何を食べるか？」「ありつけるもの」。ローレンツとの対話。「攻撃」。飛行機と地ならし機。リーブラー山登山。脱水症状になりかけて戻る。ノートから。あかちゃん、ゆりかご、みな落ちる。グーニーズ。地ならし機を探す。ノートから。レイモンド・ダート。第二次大戦の影響。エリザベス・ヴルバ。ヒョウの巣穴。アイリーン・ヒューストン。アボリジニ美術局員。ウィンストン・ジャブルラの画。ノートから。ニジェールのボロロ族の成人儀礼。女装。ロルフとウェンディ―。子供に土地特有のものを持たせる。ノートから。詩とことば。ストリーロ「アランダの伝統」。ロンドンでホームレスと会食。キョクアジサシ。真珠貝のペンダント。ノートから。ソングラインの類例。レイライン。龍脈。キケロらの記憶術。ナスカの地上絵。ソングラインの原初的なもの。アルカジーとマリアン。タイタスとアマデウス一族間の問題解決。リンピーが遠くの親類が死ぬ前に会いに行く。車のスピードで歌を歌う。チャトウィンの冒険好きと交際の広さは、スヴェン・ヘディンに通じるものがある。






　

　晴時々曇。20℃～30℃。


　「ある革命家の思い出」『世界教養全集26』309p。ニコライ太公の訪問。健康衰える。病院入院。急激な回復。脱走を企てる。緊密な仲間のネットワーク。サンクトペテルブルグからスウェーデン、ノルウェー経由でイギリスへ亡命。ハル。エジンバラ。ジョン・スコット・ケルティさん。「自然」「タイムズ」に投稿。ジュラ連合。

　『ソングライン』301p。アングロサクソン人がオーストラリアを領有した弊害。島国の見方。モーリタニアのネマディ。犬を使って狩猟。ポパンジ。リディアとグレアム。荒廃。カレン。読書家ロルフ。タイタス・ジルカマタ。ジョシュアの夢。旅程や地図もソングラインにできる。タイタスはエリートにしてソングマン。訴訟。悪天候。モレスキン手帳。ノートから。様々な作家・詩人・思想家からの引用。世界各地での体験。放浪礼賛。

　『若冲』読了。瀬川弥太郎・蔵原惟人・林哲夫。竜華寺のサボテン。伏見人形図。

　晴時々曇。20℃～30℃。


　「ある革命家の思い出」『世界教養全集26』282p。仮名ボロジーン。織工たちの会合。地理学協会。逮捕。二人の織工の裏切り。第三課。ポラコーフを擁護。公爵家一族ならではの待遇。第五部　要塞監獄ー脱走。ペンとインクの許可。獄中で地理学関連の著述。兄の逮捕。

　「夢酔独言」『氷川清話 夢酔独言』読了。息子麟太郎犬にかまれる。隠居後のくらしあれこれ。こんな極悪な隠居を見たことがない。摂州へ。やくざ。わが晩年。日本の好漢は、自分と地続きである感覚があるから、行動に対して胸糞悪いものがこみあげる。痛快事ではなく悪事。勝海舟は命がけで偉人になったことがわかる。胆力は日本史上有数。

　『若冲』155p。坂崎乙郎・芳賀徹・千澤楨治・沢田ふじ子・由良君美・種村季弘・瀬木慎一。オクラホマ、バートルズヴィルの「心遠館」。ジョー・D・プライス・コレクション。宮中御物。


　

　曇時々晴。夕方一時雨。暑さ。20℃～31℃。

　「ある革命家の思い出」『世界教養全集26』261p。チャイコーフスキイ団といっしょに仕事をして2年後逮捕されるまで。密接なむすびつき。クラフチンスキイ。

　勝小吉「夢酔独言」『氷川清話 夢酔独言』287p。父親は好漢。不良の親玉。2回の出奔。やってることが無茶苦茶だ。年貢を集めた千両箱から200両を取り出して空いたところに石を詰め込んで、吉原へ豪遊しに行くくだりとか笑うしかない。

　『ソングライン』203p。テレンス神父。チモール海。テッド・ストリーロ。「中央オーストラリアの歌」。神話妄想。インジャルカの夢。ウジムシの力。ジム・ハンロンに絡まれる。スカル・クリーク・キャンプ。ミドル・ボーア。アランと甥。アランがキルダ(地主)で、甥がクトゥングル(目付役)。鉄道敷設。トカゲ族の先祖と妻の話。歌と踊りで表現。何千キロも離れた部族でも歌を聴けばどの土地のことが歌われてるか正確にわかる。甥の踊りからコンラート・ローレンツの話へ。赤ん坊たち。ハンロンが酒をがぶ飲みして倒れる。アルカジーのサポーターとしての異様な有能さ。「黒人」に違和感を感じたが、文脈上こう訳すしかないか。

　澁澤龍彦他『若冲』66p。森銑三・辻惟雄・梅原猛・吉井勇・澁澤龍彦・種村季弘・安岡章太郎。石峯寺の五百羅漢。黄檗宗。若冲の墓。正直、若冲の画をよく知らない。





　
　

　雨後晴。20℃～29℃。


　「ある革命家の思い出」『世界教養全集26』251p。ニヒリストについて。冷笑主義とはだいぶ違う。友人の仮名ドミートリィ・ケルニッツ。チャイコーフスキイ団参加。ツルゲーネフ。立憲運動。

　「氷川清話」『氷川清話 夢酔独言』215p。外交と海軍。時勢の変遷。江戸文学の批評。幸田露伴を高く評価。処世の要諦。潔癖と短気な日本人。

　ブルース・チャトウィン　北田絵里子訳『ソングライン』103p。アリス・スプリングス。アルカジー・ヴォルチェク。ロシア系オーストラリア人。アボリジニの歌の道。スタン老人。ピントゥピ族。レイシーの店。絵。ミツツボアリ。チュリンガ。フリン。アボリジニの捨て子。ベネディクト会の伝道所。ローマへ。オーストラリアに戻って信仰を捨てる。ブルースを試す。

　

　雨後曇。午前は雨。午後になって止んでくる。20℃～24℃。


　「ある革命家の思い出」『世界教養全集26』236p。西ヨーロッパへの最初の旅。チューリッヒ。社会主義者たちが集う。アナーキズム。国際労働者協会。第一インターナショナル。汎ヨーロッパの一つの流れ。ジュネーヴの指導者と労働者との乖離。ニューシャテル。バクーニン。ロカルノ。クロポトキンはバクーニンと一度も会っていない。パリ・コミューン。ウィーン、ワルシャワ経由でペテルブルグに戻る。禁書をユダヤ人を通して持ち込む。

　勝海舟／勝小吉　川崎宏編『氷川清話 夢酔独言』111p。松本健一「政治的人間の面白さ―『氷川清話』をめぐって」。勝海舟「氷川清話」。合冊序言(吉本襄)。立身の数々を語る。古今の人物論。政治家の秘訣。天下の経済。ようやく読む。大体のことは司馬遼太郎の本に紹介されていたので知っていたが、こうして凝縮されているのを一気に読むと凄みを一層感じる。横井小楠と西郷南洲。北条氏と細川頼之・足利義満への経済的な面での高い評価。

　曇。20℃～26℃。


　「悲しみよ こんにちは」『世界文学全集Ⅰ‐04』読了。第二部。セシルの計略。セシルの突出した知性と感性が、破滅的な死を招く。

　『雪[下]』読了。Z・デミルコルらによる拘束、拷問。Kaに決定的な打撃を与える情報。イペキはフランクフルトへ行かない。〈群青〉の殺害。スナイ・ザイムの劇中死。宗教対立や民族対立、政治的対立など矛盾を多く抱えたトルコの国情。

　雨時々曇。20℃～25℃。


　フランソワーズ・サガン　朝吹登水子訳「悲しみよ こんにちは」『世界文学全集Ⅰ‐04』503p。再読(20161120-1121)。第一部　私・セシルと鰥夫の父。情人のエルザ。お客のアンヌ・ラルセン。海でシリルに会う。アンヌの支配。通常の親的。

　『雪[下]』252p。Kaの幸福。トゥルグト氏とカディーフェは秘密の会合へ。〈群青〉やクルド人組織、社会主義者など。〈国境の街〉紙にKa糾弾記事。書いたのはセルダル。〈群青〉拘束。スナイ・ザイムとの取引。演劇でカディーフェがスカーフを取る。〈群青〉との対話。取引成立。解放後再び〈群青〉と対話。襲撃。読んでいくうちに、Kaの描かれ方が「吉里吉里人」の古橋に似ていると思う。

　曇。19℃～27℃。


　『雪[下]』79p。Kaはトゥルグト氏を声明に署名させるため説得する。メキシコドラマの「マリアンナ」。「おしん」や「夜市人生」みたいなもの。下心。「わたし」がメインの語り手に変わる。フランクフルト。カルスを訪ねた4年後。ワールドセックスセンター。新しい詩。